
1人目の妊娠・出産・育児は、当時、九州地方で経験しました。
両親は関東に住んでおり、身内や知り合いも近くにいない環境で、初めての出産・育児を、夫婦2人だけで乗り切る状況でした。
当時の状況
仕事の立場
当時は転職して2年目。
特別な役職があるわけではありませんでしたが、プロジェクトの遂行で忙しい時期でした。
勤務時間は、8時30分始業、20時頃に帰宅する生活。
仕事中心の日々を送っていました。
妻の体調が安定してきた頃、第一子の出産予定日について直属の上司に相談しました。
少しでも育休などを取れないかと話したときに返ってきたのが、
「育休を取って、どうするの?」
という言葉でした。
これは2018年頃の出来事です。
上司もお子さんがいる家庭でしたが、「夫はフルタイム、妻が育休」という家庭像が当たり前の世代で、男性が育休を取るというイメージは、ほとんどなかったように思います。
職場の空気
会社として育休制度はありましたが、男性が育休を取るという空気は、ほぼありませんでした。
2020年頃になると、男性社員でも1ヶ月〜数ヶ月の育休を取得する人が少しずつ出始め、雰囲気が変わっていったのは事実です。
制度は知っていたか
育休制度については、社内掲示板のような場所に情報はありました。
ただし、男性が取得する前提で作られた資料ではなく、正直なところ、詳しいことはネットで調べるしかありませんでした。
取らなかった「理由」
取らなくても回ると思っていた
1人目だったこともあり、想像が足りていなかったと思います。
「最初の3ヶ月は寝不足になる」とは聞いていましたが、
それがどれくらいの寝不足なのか、
それが自分や家庭の生活にどう影響するのかまでは、想像できていませんでした。
自分が休む発想がなかった
上司に育休について相談はしたものの、
「自分が働くのを止める=家庭も止まる」という感覚が強く、それはとても不安でした。
上司の
「育休を取って、どうするの?」
という言葉に対して、自分の中でうまく言語化できる答えを持っていなかったのだと思います。
周囲の目・前例
「休んでどうするの?」という雰囲気が職場には強くありました。
自分自身も、その空気に飲まれてしまっていたと思います。
会社全体では男性で育休を取った人はいたのかもしれませんが、少なくとも、自分が関わる範囲では前例はありませんでした。
実際に起きたこと
家庭内の負担
妊婦健診など、土曜日に行けるものは一緒に行き、子どもの誕生を楽しみに過ごしていました。
ただ、今振り返ると、とても無理のある出来事が産後まもなく起こります。
それが、産後2週間での海外出張(14日間)でした。
そのうち約10日間は実家の母が手伝いに来てくれましたが、残りの4日間は、妻が一人で過ごすことになります。
初めての出産・育児で、何が起こるのかも分からない中、
それでも私は、会社でのキャリア、つまり「自分の実績を作ること」を選びました。
さらに、この出張の約1ヶ月後には、再び1週間の海外出張にも行くことになります。
妻の不安は、相当なものだったと思います。
できる限りテレビ電話はしましたが、物理的に離れている事実は変わりません。
この時に踏ん張ってくれた妻には、感謝しかありません。
通常の勤務時間もほとんど変わらず、子どもが生まれても、自分の生活はあまり変わっていなかったと、今では感じます。
育児・家事の変化
出張を除くと、意識していたこともありました。
それは「家事は無理に完璧を目指さない」ということです。
洗い物や洗濯など、帰宅後にできる家事は、自分がやるようになっていました。
ベビー服はガーゼや小さな衣類が多く、洗って、干して、たたむだけでも一苦労です。
この頃は「ドラム式洗濯機が欲しい」と何度も思いました。
食事についても、夜な夜な作り置きをすることが増えました。
離乳食も、最初は冷凍ストック中心。
軌道に乗ってきたら、おかずセットを作るなど、仕事終わりに台所に立つ日が続きました。
夜間の育児はシフト制などなく、赤ちゃんが泣けば目が覚め、
ミルクを作り、飲ませ、ゲップをさせ、哺乳瓶を洗う。
それを妻と交代しながら行っていました。
今でも妻から
「仕事がある中でも、夜起きてくれていたよね」
と言われることがあります。
それでも、産後まもなく行った海外出張のことは、今でも心のどこかに引っかかっています。
今ならどう考えるか|育休を取るかどうかの判断軸
判断軸①|頼れる人・仕組みがどれくらいあるか
まず考えてほしいのは、パートナー以外に頼れる人や仕組みがあるかです。
・親や親族が近くにいるか
・行政サービスを使えるか
・相談できる大人がいるか
1人目の出産時は地方に住んでおり、両親は関東在住でした。
初めての出産・育児を、ほぼ夫婦2人だけでスタートする環境でした。
判断軸②|短期でも取る意味があるか
育休は「1年取るか、まったく取らないか」の二択ではありません。
・1週間
・2週間
・1ヶ月
2人目では1ヶ月の育休を取りましたが、「この期間だけでも一緒に生活した意味」は確かにありました。
人によっては、時短勤務という選択肢もあると思います。
判断軸③|自分が休むことで、誰の負担が減るか
育休は「自分が育児・家事をするため」だけのものではありません。
・パートナーの精神的・身体的負担
・家庭内の緊張感
・日常の細かい判断の連続
自分が仕事を休むことで、誰の負担がどれくらい減るのか。
ここを考えるだけでも、見え方が変わりました。
判断軸④|仕事は“戻れる状態”か
育休を考えるとき、仕事の整理は避けて通れません。
・引き継ぎができるか
・休む前提で話せる職場か
・復帰後のイメージが持てるか
判断軸⑤|今しか取れない時間をどう考えるか
子どもは、あっという間に成長します。
寝不足の日々が続いたと思ったら、赤ちゃんの睡眠時間がのび、寝返りが始まり、気がついたら歩いている。
そんな一瞬の成長は、何事にも代え難いものです。
一方で、仕事は戻れることが多いのも事実です。
「子どもの成長は一瞬で、今しか取れない時間だった」
そう考えるようになってから、育休の見え方が変わりました。
これからのパパ・ママになる人へ
育休を取る・取らないに、正解はありません。
大切なのは、自分の家庭に合った判断軸で考えることだと思っています。
僕自身、すべて違う選択をしてきたからこそ、
「あのときの自分には、あの判断しかできなかった」
とも、今では思えます。
これから育休を考える人にとって、
この経験と判断軸が、整理のヒントになれば嬉しいです。
※ 本記事は、実体験をもとに個人の視点でまとめたものです。家庭や職場の状況によって最適な判断は異なります。

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